企業のホームページをリニューアルしてアクセス数をアップしたいというクライアントの要望を聞くことがあります。
もともと作りが古かったり、極端にできの悪いサイトでは、確かにリニューアルすることで、見た目の信頼性は上がり、またテキストやコーディングの改善でSEO効果による検索結果の上昇でアクセスが上がることはあると思いますが、そんなに劇的にすぐアクセスがアップするということはありません。そこにはアクセスを増やす「仕掛け」が必要になってきます。
バランスを考えた予算配分で最適な効果を考える
一番効果がわかりやすいのが、メディアの活用です。特に直接的な影響が強いのが、インターネットメディアです。
googleやyahooなどのプラットフォームを活用したメディアを活用したり、Twitter、FacebookなどのSNSのタイムラインに流すソーシャルメディアなどがあり、どちらも闇雲に掲載するわけではなく、趣味嗜好、エリア、年齢性別などを絞り込んで効果的にターゲティングさせることができそうです。
見せたい内容やページ数が多ければ制作費用を重視する必要がありますし、期間が短くキャンペーンなどでアクセス数・応募数の目標値がはっきりしている場合は、インターネットメディアの数値である程度の誘導数が具体的に見込めますから、そちらの予算を見なければいけません。
全体予算の範囲の中で、ホームページの構築にかける予算と、呼び寄せるための誘導にかける予算を用途に合わせてバランスよくかけることが大切かと思います。
コンテンツ施策の工夫で理解を深める
いくら誘導を多くしてアクセスをアップしても、クリックした先に内容がなければ、ただ離脱されてしまうだけですので、なんの効果もありません、むしろ逆効果になってしまうことになります。
見てもらえるコンテンツをどうするかが重要になります。画像や映像で視覚的に訴える場合と、文章で読んでいただいて理解を深める方法などいくつかの方法・選択肢があるように思いますが、それぞれにも目的に沿ったやり方がありそうで、その中でも対局にある2つの手法が最近注目されているようです。
・ブランデッドムービー
スマホの普及や、回線の高速化の伴って、動画を手軽に見る機会が増える中、短めのストーリー仕立ての動画でメッセージを訴求する手法を最近では「ブランデッドムービー」という言い方でジャンル化されています。
企画内容次第では構成や編集など非常に時間・コストがかかるのと、当たり外れが多かったり、再生回数だけを狙って際どい内容で炎上したり、いろいろ問題もあるようですが、魅力ある映像コンテンツは見るだけで楽しく理解も深まり、これからの主流としてはこのような動画はブランディングとして利用される場合は多そうです。
・オウンドメディア
こちらは、昔からあるブログや記事サイト、メルマガなど見たり読んだりするコンテンツを指しますが、こちらもスマホなどパーソナルに場所を選ばずにいつでも情報を探して見ることができるデバイスの普及があって、再び注目されるようになってきているようです。
伝えたいテーマ・メッセージなどがはっきりしていて、記事の内容が読みやすく、コンテンツ量が多いことが条件かなと思います。また、更新性があることも重要です。
短期的なキャンペーンには向きませんが、更新が多く、たくさんの記事があることで、自然検索からの流入が見込めて、じわじわと効果が出てくるブランディング手法です。
どちらも以前からある手法があらためて話題になるのは、スマホの普及による人々の行動の変化によって、より気軽に見やすく、読みやすくが求められるようになった結果なのでしょうか。
効果があったかはさて置き、一昔前は、フルFlashで作ったグワングワン動くキャンペーンサイトなどもブランディングとして流行っていました。
私も広告会社の担当としてそのような企画を提案、実施していた時代もありましたが、時間的・予算的な都合でモバイルサイトまできっちり作り込むことができず、検索を促すCMキャンペーンからの誘導で、かなりモバイルからのアクセスが多くブランディングとしての機会損失になってしまったこともありました。
ホームページをブランディングに役立てるには、伝えたいメッセージをどのように見せるかを考える、企画段階からの綿密な設計が必要なのです。